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大企業の実効税率は低い

大企業が払っている法人税の負担率はもっと低い

各社が公表している決算書や有価証券報告書から日本の大企業が実際に負担している税率を計算すると平均で15%です(表3)。表面的な法人3税の法定税率の半分以下です。中小企業より税負担が低いのは大企業優遇のさまざまな減税措置があるからです。

減税額が最も大きいのは受取配当益金不算入です。企業が持っている他社の株の受取配当金は利益に組み入れなくてもよいという制度です。連結納税は子会社に赤字があると親会社の黒字と相殺され、利益が圧縮されるために親会社の単独申告よりも税負担が少なくなります。

連結法人企業の負担率はわずか4.7%です。外国子会社配当益金不算入は海外に子会社があれば配当の95%を利益から除けるので、税負担が少なくなります。
 さらに企業が製造技術の改良、考案、発明のために試験研究費を支出した時、支出額の約10%を法人税から控除できます。

さてさらに違法ではないものの、税制上の大きな問題として発展しているのが、租税回避(タックスヘイブン)です。これは 前記受取配当益金不算入 制度を悪用するもので、米欧の投資銀行等が国際的に展開する租税回避スキームのひとつです。さてどのようなものでしょう。

例えば、国内の営業収支は▲50億円の赤字だが、海外の子会社から100億円の配当益が還流したとします。すると100億円のうち95億円は益金不算入で益金は5億円となりますが、税務上の決算は▲50億円と相殺で45億円の赤字という事になります。

しかもこの赤字は5年間繰り越せます。

翌年10億円黒字になったとしても、まだ35億円の赤字繰り越し、翌々年10億円黒字になってもまだ25億円・・・・・。

というわけで租税回避地(回避国例:ケイマン、オランダほか多数)に現地法人がどんどん設立されるというトンデモ状態になっている一方、その大企業がその国で営業した法人益はまったく再分配されないことになってしまうのです。

よく法人税の国際的競争があるからと法人税引下げの説明にされますが、ケイマンなどはゼロですので、お話になりません。要するに法人税(得た儲け)を再分配したくないのです。

これらを『政策減税』としますと年10兆円規模の減税となると試算されています。消費税は10%で22兆円とされていますが、その日の生活費にも苦しむ世帯が1000万に及ぶのに、過酷な消費税を押し付ける一方で、公共の福祉をフリーランチして儲けている大企業という社会構図をあなたはどう思いますか。






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